センブリ(当薬)

 三光丸の原料で最重要原料のひとつ、センブリの紹介をします。

 センブリはリンドウ科の2年草の草本で、草丈の小さいのは5cmくらい、大きいので40cmぐらいになります。今栽培されているセンブリは約30cmの草丈のもので、この全草(花から根まで全部)を使用します。花は5弁で白色か薄い紫色をして、9〜10月頃開花します。この花の付いた状態で乾燥し使用します。

 センブリは日本固有の薬草で、いわゆる民間薬として使用されていました。現在センブリは日本薬局方にも収載されて

おり、この事からしても日本の薬草の中でも重要な生薬の一つと言えます。

 センブリの名は漢字で「千振」、又は「当薬」(とうやく)と書きます。これはセンブリの名の由来と特徴を非常に良く表しています。

 「千振」とは千回振り出し(煎じる)てもまだ苦いとの事からきています。「当薬」は当(まさ)に薬であるとの意味です。この二つの言葉から非常に苦く、非常に良く効く薬である事がわかります。産地は栽培品が長野県、高知県となっており、天然の採集品は東北地方で集められています。

 さてセンブリの歴史は室町末期に民間薬として利用されはじめ、胃薬に使用されました。また一部では、殺虫薬や目薬としても使用された事もあります。

 三光丸ではセンブリを1日量(原生薬センブリの量として)0.9g使用しています。ここが、他の胃腸薬と違うところなのです。古くからの多くの胃腸薬はオオバクエキスを主成分にし、センブリを使用しても0.05g程度しか使用していないのがほとんどです。日本独特の薬草のセンブリを多く使用した製剤は、三光丸以外に見当たりません。

 センブリの成分は苦味成分ですが、これは主に苦味配糖体(セコイリドイド配糖体)で、スウェルチアマリンが最も多く2〜4%含んでいます。他はスエロサイド、ゲンチオピクロサイド、アマロゲンチン、アマロスエリンなどがあります。この中でアマロスエリンが最も苦味が強い物質で、天然物で見いだされる苦味の最強物質のひとつです。

 最近はセンブリのアルコールエキスが、育毛剤としてよく使用されています。精神的な円形脱毛症への効果、胃液分泌促進効果、胆汁分泌増加作用、中枢抑制作用、肝臓障害抑制作用等色々な作用も確認されています。

 この様に色々な薬効・薬理も解明されて来ましたが、今後の研究でまだ色々な事が解明され、ますます薬として利用されると考えられます。

センブリ一口知識

1.

この苦いセンブリを食べる虫もいる。

2.

心臓病にも使用する民間薬の伝承もある。

3.

センブリの薬効成分はあまり安定性がない物もあり、当社では低温倉庫で保管している。

4.

種子はケシの実(0.2mm)ぐらいの大きさ。約350個で三光丸1粒の体積。

5.

1本のセンブリで花の多いのは600以上の花が付いていたのがある。

6.

全国の年間センブリ消費量の3分の1から4分の1を三光丸が消費している。

7.

接木や交雑雑種の研究もあるが、まだうまく行っていない。

8.

センブリの別名には「クスリ草」と言うのもある。

9.

リュウタンの10倍ほどの苦味がある。

10.

センブリは貧栄養の所で出来る。これは一般の雑草があまり生育しにくい所であり、あったとしても草丈が低い。

11.

自然の状態でセンブリの多い所で10〜60本/m2ぐらいの生育である。

12.

ムラサキセンブリとは同じ所にセンブリは生えない(住み分けが出来ている)。

13.

センブリの成分(苦味・フラボノイド・オレアノール酸)は開花が始まる頃が一番多い。

センブリの写真

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