東川和正作

 白澤とも書く。中国における想像上の獣(けもの)であり、6本の角と9つの

眼を持ち、深山に棲(す)むといわれる。古代中国の地理書『山海経(せん

がいきょう)』によれば、麒麟(きりん)や鳳凰(ほうおう)と同じく、徳の高い

王が治めるときに姿を現すという。

 また、人語をあやつり、森羅万象(しんらばんしょう)に通じるだけでなく、

災いを避ける霊力を持つと信じられ、人々は災難避け、病気避けの霊獣

(れいじゅう)として、その姿を描いた屏風(びょうぶ)や御守りを持つように

なった。

 日本では、安政年間(1854〜60)にコレラが大流行した時にも、白沢図

が病魔退散の護符として尊ばれ、枕元に置いて寝るならば、もろもろの

病気から身を守ることができるといわれた。また、旅行の護符としても人気

があり、江戸時代の旅人は道中、白沢の絵図を懐(ふところ)に忍ばせて

いたという。

 こうした故事をもとに、このたび御所市在住の陶芸家、東川和正(うのか

わ かずまさ)氏に制作を依頼しました。 この白沢像も神農さん同様、薬と

健康のシンボルとして末永く親しんでいただければと思います。